経緯
去年ヘルニアでどうにもならなかった時に来て頂いていた方からまたご連絡を頂きました。
去年もベッドに横になる事ができずに座って寝ている状況でしたか、頑張って通って頂き普段の生活、仕事するのにも支障なく過ごせるようになりました。
その後調子は良くなっていたが、仕事中に労災事故で上から重い荷物が降ってきた。胸椎と肋骨骨折し、入院して胸のケガは治った。
だか腰に痛みが走りだし、大学病院で検査した結果後縦靭帯骨化症、ヘルニアがわかった。ヘルニアに関しては前になったやつだそうです。
症状
2ヶ月前ぐらいから痛みが強いため腰を伸ばす事ができず、腰を屈めて杖をついてようやく歩けている状態ではある。この度もベッドに横になる事も出来ない。椅子に座って睡眠を取っているが、痛みで熟睡できる事はない。
腰の痛みにプラスしてももから膝の辺りが痺れてしまいこれもとてもツラい状態である。
色々投薬もやってはみるが、痛みの変化はない最終的には手術を行う事が決定しているが、コロナの関係もあり少し期間が空く。
少しでも痛みと痺れてがどうにかならないかと相談を頂いた。
施術
初回
腰の痛みが強すぎてベッドに横になれない。座って体勢ならなんとかできるとの事なので座っての対応した。座っている状態でも痛み、痺れては出ている。
腰の痛い部分を確認し、手のツボに鍼をした。続いて腰のツボに鍼をして痺れてが少し和らいた。
今なら横向きならできそうなので横向きに寝て頂き、お尻と腰に鍼をした。少しの時間そのままの体勢でいると徐々に足の痺れてが出てくるようになった。そこでもものウラに活法を行うと痺れては少なくなった。5分ほど経ち起きてもらうと座った状態での痛み、痺れては楽になっている。
右のお尻に体重をかけると痛み、痺れてが増してしまう。スネのツボを使い、それも楽にはなった。
2回目 5日後
手術の日取りが一ヶ月さらに伸びてしまった。コロナの影響もあるが、太り過ぎのため減量するようにと指示が出た。
患者さんもこんな腰の状態で運動は出来ないと嘆いていた。食事に関しても料理する事がままならないためインスタントなどで簡単に済ませている状態である。
腰の調子は前回と比べるとかなり楽になっているが、膝の辺り痺れがツラい。まだベッド仰向けにはなれないので座って寝ている。
今日は最初から横向きにはなれそうなので横向きからスタートした。お尻、腰、スネのツボを使いしばらく時間を置いた。やはり痺れが出てくるのでもものウラの活法を行うと楽になった。
座って姿勢から屈むと強い痛みと痺れが出ていたが楽にはなっている。さらに手のツボを使うと楽になった。
座っている体勢から腰を反る事もできなかったが、できるようになった。
3回目 5日後
腰の痛みが軽くなっているため横向きでは3時間ほど寝れるようになった。
膝の辺りの痺れはツラい。
今回は杖なしで歩けるようになり、腰も伸びている。ただ長くは歩けない。5分歩けば痺れが強くでる。
ただ歩けるようになっただけでも進歩なので笑顔で喜んでいた。私も嬉しく思った。
前回とほぼ同様の施術を行った。
座った状態で首を下にぐっと向くと腰に痛みと痺れが出る。お尻のツボを使うとこれらもなくなった。
4回目 5日後
調子は悪くなく睡眠もだいぶ続けて取れるようになってきた。料理も痛みは出るもののできるようになってきた。
もう杖はいらないぐらいに改善している。まだ長歩きは難しい。
今回から少しの時間なら仰向け、うつ伏せで施術ができるようになった。
車の乗り降りするときに必ず腰にズキッ痛みが走る。手のツボを使いその痛みもなくなり、ご本人も驚かれていた。
5回目 1週間後
車の乗り降り痛みはあれからない。
長く歩く時には痺れが出る。日常生活には支障は少なくなってきた。仕事にも少し復帰ができた。杖なしでスタスタ歩ける姿をみて担当のドクターも驚いていたそうです。
引き続き施術を行った。
6回目 1週間後
痛みが全くなくなったわけではないがかなり楽にはなっている。痺れもだいぶ軽減している。でも10分ぐらい歩くと痺れがキツくなる。
その後予約を取られていましたが、連絡もなくキャンセルとなった…
なのでその後状態はわからない、日程が順調なら手術を終えリハビリを頑張っているのではないだろうか
今回は症例としてアップしたかったが、その後が追えなかったため別に書いた。
ツボ
威霊、精霊、後谿、腸鳴、陽輔、臀中川、腰海、L3、L4、六谿、胞肓、上天柱、陰谷、元瑠など
その都度適宜選穴しました。
整動鍼オリジナルの独創穴はこちらで確認ができます⇧
考察
今回のはもう手術が決まっていたためそれまでにどこまで症状が軽減できるかであった。
鍼は魔法ではない。鍼をする事を後縦靭帯骨化症や狭窄症がそのものが治るわけではない。
だが痛くて寝れない、痺れて歩けない等の症状はすべてではないが日常生活を送れるレベルまでは改善している。仕事にも復帰できた。
なぜだろう?それは全ての痛みが器質的な要因(骨や靭帯)で起きているのではないのだろう。機能的に動きやすいようにしてあげると痛みも緩和する事も多い。私は動きをベースに考える【整動鍼】という技術で施術を行った。経絡を意識して施術は行っていない。結果的は似ている取穴になったかもしれないが
鍼灸には様々な流派がある。東洋医学的なミカタ、西洋医学的なミカタ、どの流派がいいとかではないが鍼灸には可能性を感じた例ではあった。
一見鍼灸で対応が出来ない症状でも改善の兆しはあるのではないだろうか。もちろん全て対応できるわけではないので気をつけなければならない。そのためには日々の研鑽が必要であるのは間違いない。
ぼやき
今回の腰痛はとても勉強になった。色々なヒントも見えてきた。頼ってきてくれてとてもありがたいと思った。
が、無断キャンセルはとても寂しかった。電話一本ほしかった…
私の態度や言動にも問題があったのかもしれないし、患者さんからするとこれ以上の改善は望めない。行ってもしょうがないと思ったかもしれないですが…
っと最後愚痴ってみる(笑)
最後まで読んで頂きありがとうございます。