患者
男性37歳
期間
2023/12 ~ 2024/4 計9回
症状
2週間前から急に胃の痛みやみぞおちの痛みが出始め、痛みや違和感(胃もたれ、膨満感)があり、食事が取れなくなった。お腹は減るが一口食べるともう食べれなくなる。なので食事がまともに取れず急激に痩せてしまった。
夜になると動悸が出て息苦しくなる。逆流性食道炎の傾向もある。
タケキャップを服用している。胃カメラでは異常なし。
施術
初回
お腹の硬さや緊張をチェックするとみぞおちの辺りに強い緊張があり、押さえると強い痛みと不快感が出る。この部分が本人の痛みを感じている場所と一致する。
背中の痛みも感じている。
まずこのみぞおちの緊張を緩めるのを目的に鍼灸を行った。次いで背中を緩めた。
みぞおち、背中の緊張が落ち着くと常にあった胃の痛みや違和感は落ち着いている様子。呼吸もしやすくなった。
2回目 1週間後
前回の施術後胃の痛みは半分ぐらいになり、夕方から夜になると喉の違和感が出てくるようになる。
うどんはある程度食べられるようになる。
まだみぞおちの緊張はあるので引き続き施術を行う。
3回目 10日後
胃の痛みはそこまで辛くないが、右の肋の辺りがチクチクする。
全体的に調子は良くなっているが、違う病院で胃カメラの再検査を予定したので再度チェックしても異常はない。アコファイドが処方される。
体重は今の時点で10キロ減
うどんとおかゆなら食べられるようになっている。
4回目 10日後
右の肋のチクチクもなくなり、全体的に楽な日が増えている。夜はまだしんどい。
昨日久しぶりに忘年会へ行き、少しだけ食べる事ができた。
5回目 14日後
年末年始もなんとか過ごし、調子は悪くない。夜はまたしんどくなる。ゲップも出ている。
6回目 10日後
先日薬をガスモチンに変更してもらい楽になった気がする。ゲップはまだ日中に多く出ている。
7回目 10日後
7割程度の食事は取れるようになり調子も良くなってきている。
8回目 3週間後
減薬をしている。そのせいか胃の張りを若干感じる。3ヶ月ぶりにネクタイが締められるようになった(首を圧迫するのがしんどかった)
胃の方が楽になったせいか最近は肩こりを感じる
9回目 1ヶ月後
機能性ディスペプシアの症状はほぼなくなり、食事も満腹食べなければ何を食べても平気になった。
異変を感じたら早めに来てほしいとお伝えし、ここで施術を終了した。
考察
機能性ディスペプシアの方はみぞおちや背中の緊張の強い方が多い。ここの緊張を緩める事をまず第一に考える。そして自律神経系の不調にアプローチをすると症状がさらに安定する。
今回のケースも鍼だけの効果ではなく薬の効果もあったのであろう。ほとんど食事がとれていない状態だったので順調に改善したので一安心した。
機能性ディスペプシアは著しく生活の質が低下する。今後も楽しい食事ができる事を願っている。