患者
男性 45歳
期間
2023/7 計6回
症状
2週間前にベル麻痺と診断を受けて医師の方から重症な顔面神経麻痺のため、元には戻らないかもしれませんと言われた。その事がショックで何かできる事はないかと当院を見つけてくれた。
最初に病院での診察では40点柳原法で40点中2点だったそうです。
【38点で正常、8点以下で完全麻痺】
顔が動かない事にかなりのショックを受けている。
一番困っているは見た目で顔が歪んでいる事
また実際の動作でのお困りは
・口から食べた物や飲み物がこぼれる、食べカスが溜まる、
・喋りにくい
・まぶたの開閉ができない
・おでこにシワがよらない
ステロイド治療は終え、特に改善する様子もなく非常に焦っている。
首や肩は顔面神経麻痺になる前からよく凝っている自覚があったが、ここ2週間前から余計凝っているような気がする。
施術
初回
首や肩の硬さを確認するとカチカチに張っており、軽くつまむと痛みを訴える。
まずはここの緊張を緩和し、顔面部への血流をあげる事を目的に鍼を行った。
カチカチに張っていた首肩は緩んで、軽く摘んで痛みもなくなり施術を終了した。
顔の表情は変化なしだった。
2回目 4日後
前に比べると動くようになってきている自覚がある。
翌日に病院受診があるのでまた様子をみる。
3回目 5日後
前回病院受診後、柳原法で検査して28点だった。体感的には6割ぐらい良くなっている気がする。
最近は食べ物がこぼれにくくなってきたし、食べ物のカスが麻痺側に溜まっていたがそれも少なくなりつつある。おでこのシワも寄るようになってきた。
4回目 5日後
体感的には7割ぐらい良くなってきて、飲み物はまだ少しこぼれるが、食べ物はこぼさなくなった。
5回目 1週間後
9割方よくなっている。口笛がまだ少し違和感がある
6回目 10日後
顔面神経麻痺はほぼ良くなっており、違う所が気になるぐらいまで改善した。
6回目の翌日病院で完治と診断をもらい、今後は様子見となった。
考察
重症の顔面神経麻痺であったが、本人も心配していた後遺症もなく改善ができ喜ばれていた。発症し早めに来てくれた事も改善した要因の一つであろう。
もちろん鍼だけの力ではないが、首肩の緊張を取り除いたのが功を奏したのではないかと考えている。
過度に緊張しているとおそらく血流も流れにくくなっているであろう。回復するためには血流の流れを良くしてあげる事が大切だと考えている。