整動鍼とは

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連動性を取り戻す

身体は個々の筋肉が個別に働くわけではなく、連動することで特定の動作を生み出す。たとえば、歩く時に、大腿四頭筋と腓腹筋を順番に収縮させる意識を持つだろうか。少なくとも歩行にそのような意識は必要ない。歩くという動作に必要な連動が自然に導き出されているのである。

歩くにしても走るにしても、個々のパフォーマンスに差はある。とはいえ、基本的な連動パターンは普遍的である。痛みを伴う多くの運動器疾患では、この普遍的連係に狂いが生じている。この普遍的連動を取り戻すことが、整動鍼の基本的な発想である。

歪みを正す

整動鍼における歪みの定義は、活法と同じである。歪みは、動きの中心がズレているものと定義する。歪みを正すとは、動きの中心を取り戻すことである。静止状態で真っ直ぐかどうかより、動作時に中心が作れるかどうかを優先する。静止状態での歪みをズレと言うならば、動作時の歪みはブレと言える。整動鍼では、活法と同様、静的バランスより動的バランスを優先する。

動きで痛みを取る

一般的には「痛みがあるから動かない」と認識されていると思われる。整動鍼では、活法に準じ「動きの止まったところに痛みが出る」と考える。動きが出れば痛みは消失する、もしくは軽減する。

技術の特徴

整動鍼で使用する穴は、ごく一般的なものから独自なものまである。いずれにしても、基本的には筋肉(or筋膜)にアプローチする。過緊張状態の筋肉を緩めて動作の統合性を回復させる。原則的に痛みの局所は用いず、遠隔からの刺激によって患部の改善を図る。

小刺激

使用する穴は少数を理想とする。1穴に対する反応(動作、硬結)を確認しながら施術を行う。無駄な刺激を避け、自己回復力を最大限に引き出す。

短時間

原則は1穴に単刺を行った後、直ちに、局所の硬結、関節の可動域、患者の認識(自覚)を前後で比較する。

動作分析と硬結(圧痛)

痛みの位置から直接的に穴が決まる場合もあるが、痛みを誘発する動作や姿勢が穴を決めるヒントになる。痛みの局所とは別に発生している硬結(圧痛)の位置が重要であり、そこが治療点となる。関連する硬結は、痛みの位置から自動的に導けることが多い。

碓井流活法との関係

整動鍼は、碓井流活法の理論と実践をヒントに組み立てた鍼術である。純粋に碓井流活法の鍼バージョンかといえば、そうではなく、従来の鍼灸理論の影響も受けている。

整動協会

 

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